野村監督退団試合

低迷を続けるヤクルトスワローズを４度のリーグ優勝と３度の日本一へと導いた野村克也。９０年代の黄金期を築いた名将のスワローズ退団試合を改めてクローズアップしてみようと思う。
	■試合前のインタビューにて我々はユニフォームを着ていくらという人生ですから。これが最後だと思うと寂しくなるんじゃないかと思いますけど。
■試合の経過

神宮には多くのファンからの熱烈な野村コールが響いた。彼の功績を讃えるファンが彼の最後の試合を見とどけるため、神宮は超満員となった。

■初回一死二塁から池山の右越え１８号２ランで、ヤクルトが先制。野村監督の最後の試合を飾るべくスワローズに勢いづけた。	■７回には飯田が右中間を破るタイムリーを放ち、1000本安打を達成。野村監督によって、捕手からのコンバートされ着実に成果を上げてきた男が恩師に最高のプレゼントを贈った。

■ 桑田と並んで16勝で最多勝を狙う川崎。この試合で勝てば、単独ハーラートップが決まる。桧山に左中間にソロを打たれたものの、被安打７・２失点で完投。最多勝を獲得した。	■ 監督の満面の笑み。愛弟子たちが自分の最後を飾ってくれる。これ以上の喜びがあるだろうか。
■退団セレモニーにて以下『』内はスポニチ１０月１０日を抜粋。『最後まで涙は見せなかった。ユニホーム生活に別れを告げるラストゲーム。快勝で締めくくった野村監督は、こみ上げるものを抑え込むように早口で別れのあいさつを行った。「きょうはすごく勝ちたかったです。晴れ晴れした気分です。９年間は長いようで、私にとっては短かった。４度の優勝と３度の日本一…。これ以上の喜び、名誉はありません。」スタンドからは、野村コールとともに「辞めるな！」「戻って来てくれ！」の熱き声援が飛び交う。９年間で積み重ねた６２８勝５５２敗７分けの戦歴。平成の名将がつづった歴史の生き証人、ファンの声が一番の贈る言葉だった。「野球は強いものが勝つとは限らない。野球の持つことの本質を心の支えにして指揮を執ってきた」大味な野球から考える野球へ。ナインの意識改革からスタートした指揮官は、ID野球の構築へと移行していった。「念ずれば花開く」「覚悟に勝る快断なし」大胆な発想の転換で秦、飯田らのコンバートを敢行し、他球団をクビになった選手の適材適所を探し復活させる”再生工場”を完成させた。「セリーグ、あるいは日本のプロ野球界は、巨人を中心に回っています。その巨人を倒して、同じ世代の長嶋監督とは大いにライバル意識を燃やしてやってきました」長嶋がひわまりならワシは月見草ーの懐かしいフレーズ。一時代を築いた「野村VS長嶋」の宿命の対決は、もう見ることができない。「ヤクルトスワローズが存在する限り、思い出を胸に陰ながら声援を送っていきたい。まだまだ発展途上のチーム。未完成の形で去っていくことが心残りでありますが、完成したら次の監督さんに申し訳ない。後の宿題として預けて、私は潔くチームを去ります」退団セレモニーを終えると、ナイン１人１人と別れの握手。右翼スタンド前では、川崎から手渡されたウイニングボールを惜しげもなく投げ込んだ。胴上げは辞退した。「胴上げはめでたい時にするもの。そんなことされたら、またやりたくなるやろ」そう言ったが、本当は涙を見せたくなかったからに違いない。歯に衣着せぬ発言と得意のボヤキ節で流れた９年の歳月。球史に残る栄光の時代を演出した名将が、静かに肩の荷を下ろした。』



◆◆◆ 番外編 ◆◆◆ この日管理人は友人と４人で、退団試合を見るべく神宮球場へ行った。自分たちのできる範囲で精一杯のエールを野村監督に送りたい、その気持ちで野村監督の似顔絵を書いた巨大プレートを作成。それを掲げて応援することになった。通常の文字のプレートとは発想が珍しかったからか、スポーツ新聞並びにスポーツニュースに掲載されることになった。スポーツニュースにて登場スポニチに掲載