一般の人から見れば、ラルクってまだ解散していなかったんだっけ？これが通常の認識であろう。ようやく、ようやくファンにとっては待望の実に3年8ヶ月ぶりのオリジナルアルバムが発売されたのである。それに先行して、シングル『READY STEADY GO』と『瞳の住人』が発売された。一方はラルクの数あるナンバーの中でも、ノリの良いライブ向きの曲、そして、もう一方は美しいメロディラインとそれを彩るhydeの言葉の美しさが滲む究極のバラードである。個人的には、今まで数あるラルクのシングル曲ではkenやhyde作曲が好みであるが、今回は両曲共にtetsu作曲である。メンバー全員が作曲できることもラルクの武器である。

自分の中で先行シングルが当たっただけに、当然アルバム『SMILE』に対しても期待が高まる。充電期間を経てどのような曲を魅せてくれるか。ラルクらしさか、それとも別の何かか。。。

『SMILE』を通しての感想は裏切られたという印象。ラルクらしさ（これ自体曖昧な表現ではあるが）が、そこには感じられない。今までのラルクは、幻想・妖艶・郷愁・壮大・激しさ、それらが多岐にわたって、各々のアルバムを構成していた。今回は一言で表せば、非常に重いロックである。好きや嫌い云々でなく、既に解散している『thee michelle gun elephant』や『BLANKEY JET CITY』を彷彿させるヘビーな音楽だ。今までのラルクとは異質の要素がそこには混在し、ファンの中でも賛否両論である。私はラルクの曲は聞き込まなければ、その良さが理解できない。噛めば噛むほど味が出てくる、スルメのような曲が多いように感じる。今回の曲は自分の中ではまだ受け入れられてないし、ハマってもない。が、それでも新しい要素のラルクを楽しんでいる部分もある。

5月の上旬にライブに行く予定である。『SMILE』を引っさげてのツアーだけにアルバムもだいぶ聞き込んできた。『SMILE』は全10曲。これだけではライブとして恐らく成立しないので、他にどの曲が歌われるかも注目である。デビュー10周年を記念して、ファーストアルバム『DUNE』が過去のレア音源をボーナストラックとして追加した上で、再リリースとなった。ラルクは過去のメンバーの覚せい剤事件などで、それ以前の曲をライブでやる機会が今まで少なかった。が、昨年のライブでシングル『flower』を含め昔の曲も何曲か解禁となった。よって、今回は再リリースの『DUNE』からの選曲も可能性としてはありえる訳で、実現するならばファンにとってこれは生唾ものだ。ただ同じラルクと言えど、『DUNE』と『SMILE』では全く異質のものなので、全体の流れを考えると実現は難しいのかもしれないが。

いろいろな意味で楽しんできたい。