書籍「ある愛の詩」新堂冬樹著
新堂冬樹氏の「ある愛の詩」を読んだ。
まずは、ストーリーの概略から。
★ストーリー★
小笠原の青い海でイルカのテティスと一緒に育った青年・拓海。
彼は幼い頃に両親を失くした過去を背負っているが、
テティスと一緒に育ったことによって、深い愛情に満ちた性格の持ち主だ。
一方、東京から小笠原に観光でやって来た音大生・流香も過去に傷を背負っている。2人はテティスに導かれるようにして、出会う。
流香が東京に戻った後、拓海は「君の笑顔が見たいから」それだけを求めて、流香の元へ旅立つ。流香の傷を全て受け入れ、傷を癒すために協力する拓海。
互いに想い合いながらも、時にすれ違い、時に涙する、そんな純愛小説。
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すごく温かいストーリーだなってのが第一印象。
拓海の果てしない懐の暖かさ。拓海に惹かれているものの、素直に拓海を受け入れられない流香の苛立ち。テティスの拓海への深い愛情。
はじめての恋愛みたいな、ほろ苦さもあるけど温かい気持ちになれるストーリーと登場人物が描かれている。実際に、こんなピュアな恋愛などはあり得ないとは思うが、小説の中ではせめて夢見たい。そんな作品である。
著者の新堂冬樹氏にとって、この「ある愛の詩」は自身2作目の恋愛小説である。普段はアンダーグラウンドな世界観を描いた犯罪小説を得意としており、
前作「忘れ雪」で初めて恋愛小説デビューを果たした。
私にとって「忘れ雪」は非常に惜しい作品という印象が強い作品であった。
「忘れ雪」の第2章までは非常に良質な、シンプルだけれど洗練された恋愛小説だった。互いに想い合いつつも、すれ違う2人。
よくある設定だがそれを優しく柔らかく表現している作品であった。
しかし、第3章から展開が180度変わってしまい、全体としてはパッとしない作品に終わってしまった。何故、純愛小説に第3章のような展開が必要だったのかが、一読者としては理解できなかった。
しかし、新堂冬樹の描写の美しさはやはり印象的であったので、今回「ある愛の詩」を手に取った。リベンジ成功。今回は期待を裏切らない温かい美しい世界観で、私を魅了してくれた。
「忘れ雪」は途中でその展開に失望こそしたものの、私はこれら2作品を通して新堂冬樹に魅せられた1人である。今度は彼本来のアンダーグラウンド色の強い犯罪小説も試しに読んでみたい。
点数:★★★★☆(4/5) かなり面白い
yasu | 雑記 | 2006年03月12日 | トラックバック(0)
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